初めてご訪問下さいます皆様へ
こちらの部屋は完全なる腐目線の妄想部屋となっております。苦手だとおっしゃられる方はこのままお引き取り下さい。ご興味も無い中わざわざ…あるいは何かの手違いにてお出で下さった方には大変申し訳ありませんが同じくお引き取りのほど宜しくお願いいたします。...
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この記事は常にトップページにあります。通常の最新記事はこの記事下になります。皆さんへのお知らせ毎やお願い毎などを載せさせて頂く為のスペースになりますので時々チェック頂けると有り難いです。宜しくお願い致します。(随時更新)☆ブロ友申請下さる方は恐れ入りますが以下の条件んを満たしている 旨を加え簡単な自己紹介をお願い致します。 ①成人女性であること ②サトシック、或いはアラシックであること ③腐物語に...
大人な感じのテレビの後で… 後篇
「わーーー! な…なに…してんだよ~!! ふたりとも~!」「………」「…えっと…翔ちゃん?」あれ…?「翔ちゃんなに赤くなってんの?」智くんがそう零すとすかさずニノが、「翔さん…あんた今よからぬこと想像したでしょ」なんとも意味有りげににやついている。「え? よ、良からぬことって…で、で、でもそういうことだろーが」しどろもどろになりながら二人の貌を交互に見比べる。智くんは俺の謂わんとすることがわからないらしく目...
大人な感じのテレビの後で… 中篇
「あん……ンん…」「………」「………」「な…んか…すげー…」「…うん……」コンサートが終わってホテルの部屋に戻った俺らは部屋飲みしながら所謂大人なテレビチャンネルを観てた。ま…お年頃な男でコンサートの後でハイになってたのもあっていつの間にかそんなことになってた。初めて観るわけでもなし今迄だってメンバーと一緒に観たり他のメンバーが持ってるのを借りたりして観たことだってあったのに…この夜はなんだかちょっと違ってた。こ...
大人な感じのテレビの後で… 前篇
「そう言えばさ…」「ん~?」「昔よく智とは同じ部屋になったよね。コンサートとかロケの時とかさ」五人の収録前の楽屋で何がきっかけだったのか昔の話になった。ニノは相変わらず智くんの隣にぴったりと座り込みあろうことか彼の太ももに手を載せては智くんにその手を払われている。二度三度と繰り返されたその行為に遂に智くんが不愉快そうに、「だからやめろって!」と少し大きな聲をだした。「ふふ…、智は感じ易いですからね…...
ネクタイを外すのは、俺だけにして。
「.........」「う...ぅん~~」「.........」「ダメだぁ~」「だから俺がやったげるって言ってるでしょ」「いや、ダメ! おいらが自分でやるの」「俺の楽しみ取らないでよ」「そういうわけにはいかねーんだよ」「今までずっと俺がやってあげてたし、それで問題なかったのになんで急に...」「だって...今度のドラマでネクタイ締めるシーンがあんだよ」「え?」「ん?」「今なんて?」「だからネクタイ締めるシーンが...」「ダメ!...
蜜月《後篇》
大野さんの貌から微笑みが消える。「誘っても…いい?」「えっと…大野さん?」「松潤今度一緒に粘度でもどう?」想いも掛けないその言葉に既に思考回路はぶっ飛だ。「や、やるよ。やる、絶対やる、ってーかやりたい!!」んふふ…ふふ…「よかった…断られなくて」「もう、絶対断らないよ!」「…じゃあさ…もうひとつ…いいかな…」「なに…?」「おいおらと…付き合わない?」!?「な、何て……?」「おいらと付き合ってよ」な、なんだ?な...
蜜月《前篇》
大野さんは本当に釣りが好きで…事務所の人に日焼けし過ぎだと、どんなに怒られてもそれはそれは楽しそうに釣りに出かけていく。釣りの話をしている大野さんの蕩けるような笑顔やキラキラと瞳を輝かせて釣り竿やルアーをスマホ画面で眺めている姿にいつの間にか他のメンバーが興味を持ち…釣りを始めた相葉さんや翔さんの素直さや積極さが羨ましいと思う。大野さんは大野さんでいつもいつも一緒にいるニノの影響で数年前からスマホで...
Bittersweet 〜again〜《後篇》
「え、…なんで。俺此処でいいよ」あんまり…密着したくないっていうか…そりゃしたいけど…ヤバいってゆ~か…と、とにかくそれは困る。「だって遠いじゃん」「別に遠くなんかないだろ」「うにゃ、とう~い」「例えば遠いとしても…、ってとおくなんかねーけど…この距離で不都合なことはないだろ」「ある」「はぁ?」「…だって松潤に触れないもん」でたよ…『もん』が……「…酔ってる」「んふふ~、なんかすっげーいい感じ」「……そりゃ、よ...
Bittersweet 〜again〜《中篇》
ドアを開けるとそこにはジーンズ、シャツの上にグレーのトレーナー、短めのダッフルコートを着込んだ大野さんが立っていた。「……あれ?」「ん?」「なんかいつもと雰囲気が違うな~って」「あぁ、コートの所為かな?」「そう言えばリーダーっぽくない明るい色だね」「ん、貰い物なんだ」「…相変わらず貰い物で生活してんの?」「その言い方酷くない? でも…まあそうかも。自分で買った服ってあんまないし」そう言った大野さんはい...
Bittersweet 〜again〜《前篇》
もう…あれから二年経つんだな…リビングのソファーに腰掛けながらパソコンを弄っていた手が止まりソファーの後にある腰高サイズでワークトップに赤い御影石が張られたキャビネット上のフォトスタンドに目をやる。…片付けないと…。もうすぐ大野さんが来る。『……簡単にできるバレンタインに送れるようなチョコの作り方教えて…欲しい…な、なんて…』そう大野さんに言われたあの頃はドラマ撮影真っ只中。直にニノにやるんだろうな~って...
LOVE〜悖徳の迷宮 30〜
智様が奥の部屋に入られてからどれほどの時間がたったのか。ウェイターの運んで来たお茶は手つかずのまま置かれておりすっかり冷めてしまっている。思いのほか時間が経っているということは…松下との間に何らかの話が進んでいると言う事を物語っており…それは二ノ宮家に於ける智様の微妙な立場から考えれば安堵すべき事態ではあるが…その代償がなんであるのかについては分かりきっているだけにその憂いは大きく己の能力(ちから)...
LOVE〜悖徳の迷宮 29〜
ソファーに軀を横たえられた私に松下の軀が重なる。が、ふたりで横臥するにはソファーは狭かった。松下の軀の重みを受けたその反動で浮き上がった私の右手が大理石のテーブルに触れ、置かれていたシェリー酒の入ったグラスが高く渇いた音をたてて倒れた。そのまま転がるように床に墜ちたグラスはその衝撃で摧け散り硝子片が耳障りな音を響かせる。。静まり返っていた部屋に反響したその音と飛び散ったシェリー酒のキツいアルコール...
LOVE〜悖徳の迷宮 28〜
「…………」いきなり呼び捨てにされる。「そう睨むなって」「………」「そんなとこで突っ立ってないで取り敢えず其処に座ったらどうだ?」「随分馴れ馴れしい口の聞き方だ」私はゆっくりと進むとロングソファーに座り松下を睨(ね)め付けた。「電話の時には随分しおらしかったが」「そうかな?」暫しの沈黙が流れるなか控えめなノックと共に先程とは別人のウェイターがドアを開け一礼する。「お話中申し訳ありませんが…松下様、食前酒に...
LOVE〜悖徳の迷宮 27〜
後部座席で足を組み指を絡ませた両手を軀の前に軽く置き目を閉じ車に揺られる。……………目を閉じていても感じる櫻居の視線…痛い程の視線の意味に胸がチクチクと疼くのを止められない。もういい加減自分の事など見限ってくれればいいのにと思い乍らも…心の深い場所で俄(にわか)涌き起こる安寧に密やかに口角が引き上げられていることに自身すら気付いてはいない。揺れる車内のなかで心を揺らし乍ら暫くその余韻に無意識に浸る。先程...
原罪 10
《業》どうやってこの人を奪ってやろうか…どうすればこの人の裡から俺と言う存在が消えること無く刻み付けられるのか…軀に………心に…薄暗い楽屋。ふたりだけの空間あんたの綺麗で可愛らしい瞳は大きく見開かれ小さめでピンク色の唇は強く引き結ばれ赤く充血している。…そんなに噛んだら…切れちゃうだろって…そんな唇を右の親指で辿るとそのまま爪先を割り入れようとして思い切り噛まれた。「っ痛!」口の中に血の味でも滲んだのかあ...
原罪 9
《奸-2》「何…する気だ…」静まり返った空間に今迄見たこともないような歪んだ表情の翔ちゃんがおいらを組み敷いた状態で上からおいらの貌を見下ろしている。そんな見たことも無い貌に最初に込み上げた不安は恐怖となって胸を…全身を支配する。怖い……と……初めて翔ちゃんが怖いと感じている。何も言わない翔ちゃんに、「放せ!」聲を張り上げた。けれど翔ちゃんは微動だにもしないばかりかおいらを押さえつけている腕にますます力が...
原罪 8
《奸-1》それは…あまりにも突然のことで…何をどうすればいいのか分からないまま…狂った暴風雨となって降り注ぎ…通り過ぎて行った…残されたのは、胸を切り裂きくような鋭い痛みと唇を噛み切る程の悔しさそして…あろうことか胸の奥深くで感じてしまった甘美にも似た罪業。だめだ…このままじゃ…ニノの処には…行けない………ニノ…ごめん……「じゃ、お先~」ニノと一緒に楽屋を出ようとしたところでマネージャーに呼び止められた。「大野...
原罪 7
《焉》「…何処行くの……?」先程から無言で車を運転をするニノにいつもとは違う雰囲気を感じ少し不安になって問いかけてみてもニノは相変わらず無言のまま…真っ直ぐ前方を睨むように見据えてただ車を走らせアクセルを緩める気配はない。「ニノ!」まさか聞こえてない?…それとも無視してるのか?少し声を荒げてみる。するとニノは更にアクセルを踏み込みおいらの不安は更に大きくなる。聞こえてない訳じゃないし…聞こえてない振りで...
不遣雨 108
「翔さんはさ 奇跡って信じる?」「え?」今は砕け散っってしまった先程まではカップであったものの残骸を拾い集め出した松本の手を制し抵抗する彼をなんとか宥めて椅子に座らせる。多分そのままでは帰ってきた智くんが驚き心配するからだろうことは容易に想像できたので「いいよ。俺が片付けるから」と床に無機質に散らばっている破片を拾い始めた俺に突然松本がそんなことを言い出した。「奇跡?」「そう、奇跡」「どうだろうな...
不遣雨 107
既に陽が傾き出した路地は実際よりも時間の流れが早く石畳の路ぶは色濃いグレーの影が差し始めていた。車一台がやっと通れるような路に隙間なく建つ家々も一階部分は石畳みと同じく影が落ちグレーに染まっていたが階上の壁は色鮮やかなオレンジ色の夕陽が青い空間に不思議なコントラストを作り出していた。普段都会の人工的な灯りに慣れきった自分にはその空間が酷く幻想的に感じられる。何百年も続きあまり変わることなく続いて来...
不遣雨 106
智くんだ!!見つけ…た……少しずつ縮まる距離。縮まる度にはっきりする智くんの姿…けれど足下を見ている智くんは俺の存在に全く気付いていない様子だった。心の準備もないまま突然の智くんの姿に軀が固まってしまっている上になんて言っていいのかも分からずにその場に立ち尽していると智くんが何かに足を取られたのか軀が前に傾いた。あ、…危ない!「智く…」「智!」同時に智くんを呼ぶ声が耳に入った。そして、智くんはその場に倒...
不遣雨 105
見つけた!「智くん!」咄嗟に叫んで振り向いた。けれど其処にはそれらしい人物の姿はなくて慌てて辺りを目が廻る程に見渡した。観光地ならではの人ごみに小柄なあなたの姿は容易に飲み込まれどこにも見当たらない。…あまりにあなたを想うあまりに見せた幻?…いや…あれは…智くんだった。いる。この近くに。手当たり次第に智くんの向かっていたと思われる先にある店を覗き細い路地に入り探し回ったけれど結局智くんの姿を見つけ出す...
不遣雨 104
日本からパリを経由してタンジェに…。青い空に海…白い砂浜。拭き抜ける海風、漣に煌めく日差し…何を見てもあなたのことが憶い出される。後悔と贖罪に記憶を失ったあなたに何も告げられずただ傍にいることしか出来なかった時間が突然終わった瞬間…一度は切れた想いが再び重なり、軀を繋げたあの日のあなたの戸惑った貌…そして…涕。それでも溢れた記憶と想いにあなたは私を強く抱きしめてくれた…けれどそんな幸せな時間はまるで打ち...
不遣雨 103
迷った末に電話をした…翔さんに。迷ったまま…何も言えなかった智を想って…でも、それは…智が望んでいたこととは違うと思ってる。智はただ…不安で…潤くんがいても…何処か孤独で…。でも…それを認めることは決してないさとしが無意識に俺に電話を掛けて来たんだと思っている。多分…重大事ではないにしても…潤くんの状態の変化がその引き金になっていることは想像に容易くて…、仕事が無ければ今直にでも飛んで行きたい心境には変わりな...
不遣雨 102
急ぎの仕事が終わり久しぶりにゆっくりとした時間を過ごしている。既に時計の針は日付を超えようとしていたが普段から夜型の生活をしているので仕事がなくてもなんとなくこんな時間迄酒を飲みながら漠然と過ごしていた。時折…、いや…正直頭の中は智くんと松本のことで一杯で今頃どうしてるんだろうか…、今もあの街のいるのだろうか…そんなことばかり考えてしまう。「ふぅ…」更に…智くんとふたりで訪れたあの思いでのプラハでのこと...
不遣雨 101
…智が漸く眠りについた…俺の事が心配なのか…なかなか寝付かない智…。それでも、先ほどまでのセックスに疲れていた智はいつもうおり速く静かに寝息を立て始めた…智の体温を感じ乍らあの日の事を思い出していた…何故か…最近そのことばかりが頭を閉めている…それは…今までずっと心に引っかかっていることと…心残りに感じている事。けれど…今はそれが必然だったんだと思える。智を縛り付けない為に……なによりも智を俺かれあ自由にする...
怒っていいよ、泣いていいよ。そして最後は笑って…《完結篇》
そのまま俺の軀に馬乗りになった智くんは唇を少しずつ下へと移動させて行く。顎から喉、鎖骨から…乳首に辿り着くと悪戯っぽく俺を見上げて来た目と目があった。そのまま智くんは俺の乳首を口に含むと舌で舐めるように転がしてくる。柔らかかったそこが智くんの口淫で徐々に硬さを持ちはじめると面白がるようにコロコロと転がす。その度に赤い舌先がチロチロと口から覗き何とも淫媚なその光景と行為に俺の軀の奥深くで燻り初めてい...
怒っていいよ、泣いていいよ。そして最後は笑って…《後篇》
流石に聲を上げて泣くことは出来なかったでけれど…背中越しに感じる智くんの温もりと厳しいけれど優しさに溢れた言葉に心はどんどん軽くなっていく…けれどその反面…今日のライブでの出来事に自己嫌悪はなかなか静まらない…どうすれば…いいんだろ…その時背中にあった重みがふっ、と消えた。?!そして…今度は後から智くんに抱きしめられた。首に巻かれた両腕はまるで羽根のように柔らかく俺を抱きしめ、肩の辺りに当てられた頬から...
怒っていいよ、泣いていいよ。そして最後は笑って…《中篇》
「じゃ、乾杯」「乾杯って何に?」「ん~お疲れさんって感じかな?」「……」智くんに差し出されたグラスに軽くて持っていたグラスを当てるとチンッ、と澄んだ音が響いた。智くんが何故訪ねて来たかは判っている。だから先に…俺が話の口火を切った。自分が…悪かったから……「…今日はごめん」「ん?」「智くん…本当は失敗なんかしてなかった」「ふふ、そんな風に見えた?上手く誤摩化せたってことかな」既に飲みきってしまったワインを...
怒っていいよ、泣いていいよ。そして最後は笑って…《前篇》
むしゃくしゃした気持ちと頭を冷やしたくて冷たいシャワーを浴びた。濡れた髪を備え付けの白いタオルでガシガシと乱暴に拭きながらすっきりしない気持ちに悄然とバスルームを出た。コン、コン。ホテルの無機質なドアが控えめにノックされる。今は誰にも会いたくなくて…居留守を使いスルーしようと決めて無視し、先程冷蔵庫から出した何本目かの缶ビールを一口喉に流し込むとボサボサの髪はそのままタオルをソファーに放り投げて寝...
原罪 6
《奪-2》俺の視線をどう受け取ったのかは分からないけれど翔さんは忌々しそうに小さく舌打ちすると視線を俺から外し新聞片手に智とは対角線になる一番離れた場所の椅子に座った。そんな翔さんを見ていた雅紀が俺の耳とで小さな聲で「ね、翔ちゃんなんか怒ってるのかな?」と言って来た。「さ、またお前がドジ踏んだんだろ」「ひっでー。俺何もしてないって。大ちゃんどう思う?」「…ん? …疲れてるんじゃないのかな?最近凄く忙し...
原罪 5
《奪-1》仕事ではいつもと変わらずにいるあの人が、カットの声が掛かったとたん様子が変わる。表情は強ばり俯き加減に時折体重をかける足が右へ左へと移動している。その度に軀も小さく揺れていた。もともと口数が多い方ではないし自分から話を振る事もあまりないので他も皆はそんな些細な変化にはまったとく気付いてはいないようだったけれどあの人の事が昔から大好きでずっと見て来た俺は直ぐその不自然さに気付いた。もう…病氣...
原罪 4
《間》あの日…酔ったあの人を家に連れ込んだのは俺だった。既に俺のあの人への想いはもうどうしようもないところまで来ていたけれど自分の中の社会的立場やモラルというものに雁字搦めになっていて何も出来ないもどかしさと其れ故の安堵にただ流されるだけの日々を淡々と送っていた。そして、それはこれからも変わらない筈だった。なぜなら俺は自分自身の事を人一倍理解していたし自分の理想の人生を毀わすことなど絶対に在っては...
原罪 3
《罠》翔ちゃんは優しい。…凄く凄く。でも…翔ちゃんは臆病で嘘つきなモラリストだ。だから…おいらはずっと翔ちゃんの事が好きだった。何時からなんて分からないけれど…意識したのは…デビューして直ぐの頃だった。そして…翔ちゃんがおいらの事を想っていることも分かってた。だって翔ちゃんはおいらの言う事なら何でも聞いてくれたしおいらを見る目が、その口元が幾ら鈍感なおいらにでもありありと分かるくらいに雄弁に語ってた。『...
原罪 2
《徴 2》あの人の様子がおかしい…何処か視線が泳ぎ落ち着かない様子でテーブルに置いてある紙コップを弄ったり携帯を開いたかと思えば直にそれをテーブルに置いたり…そうかと思ったらまた紙コップを手にして中に入っている残り少ないコーヒーをぐるぐるかき回すように紙コップをせわしなく傾けている。時々溜め息を吐いてはぼんやりとしている。まあ…ぼんやりしてるのはいつものことだけど何かがいつもと違っていた。三日前、仕...
原罪 1 《image》
俺のことを好きだと言ったのはあんたあんたのことは好きだけど付き合えないと言ったのは俺其れは偽らざる気持ちけれど、其れは裏切りの言葉あんたに…そして、俺に……手放したものは日増しに其の存在を誇示しあんたはまんまと俺の心を縛った手に入らないなら…奪ってしまおうか…喩え其れが卑怯な罪だとしても何れ此の身に怒れる鉄槌の罰が下されようとも…罪と罰嘘と痛み陶酔と享受戀いと言う名の狂気に喜んで此の身を焦がすあんたを巻...
原罪 1
《嘘》笑いかけないで。話しかけないで。見詰めないで。楽しそうに話さないで。…触れないで。毎日毎日心の中で繰り替えす呪文は『just friends』。呪文はいつしか呪縛となって俺を苛む。あんたのことが好きで、好きで、好きで、大好きで…でも、あんたが俺のことを、好きで、好きで、好き、で大好きだったのは昔々の今じゃあ黴の生えたような話。だから…本当の気持ちなんて素知らぬ振りで今日も気の合う仲間、友達を装う俺はあなた...
LOVE〜悖徳の迷宮 26〜
「なんでそうなるんだ」「だって兄さんのそんな姿見てたら…我慢できなくなってきた」「だったら直ぐ部屋から出ていけ、和」「やだ」「和!」「この間は抱かせてくれたのになんで今日は駄目なんだよ」「…だから兄弟だって…言っただろう」「血なんか繋がってない」「…そう言う問題じゃない」「じゃあどんな問題? まさか『愛』がないからとか言わないよね」「………」「愛の無い行為を繰り返している兄さんがさ」「……」「それに俺の方...
lOVE〜悖徳の迷宮 25〜
朝起きた時には薄曇りだった空。今は雲の層が厚くなりその所為で朝より昼近いこの時間の方が暗く感じるのは自分の重い心の所為なのか…遅めの朝食をダイニングでとったあと無意味な程長い廊下を歩き乍ら自室へと向かう。途中何人かの使用人と擦れ違う。皆自分の姿を認めるとその場で立ち止まり私が通り過ぎるまで頭を下げている。私なんかに大仰な…と思うけれどそれは彼らに与えられた仕事のひとつであっておろそかに出来る事ではな...
不遣雨 100
潤に口淫紛いの激しいキスをされ何も考えられなくなり強ばっていた軀の力が抜けた瞬間潤がおいらの口に指を二本突き入れてきた。おいらは苦しくて思わずその指に舌を絡ませ空気の通り途をつくると潤はその指をゆっくりと出したり入れたりしながらおいらの舌にさらに絡ませてきた。もうこれは舐めろってことで、時々咽せ乍らも潤の長い指を銜え舐めしゃぶった。「…さとし…もう…いい…」いつのまにか潤の声が掠れている。「そのまま俺...
不遣雨 99
もう…最近はただ寄り添って眠るだけの毎日が続いていた。別にそれに不満があるわけじゃない。もともとおいらはそっちの方は淡白だし…最近辛そうな時が増えているように感じて不安で…「ね…病院…行こうよ」と、つい口を吐いてしまった言葉。おいらの前髪を弄っていた潤の手が止まる。「急にどうしたんだよ」「ん…ただ定期的にちゃんと診てもらったもらったほうがいいと思って……」「大丈夫だって」「…そう…?」「ああ、大丈夫。それに...
不遣雨 98
智と暮らす…それは今までと同じで…今までは全く違った意味を持つ。智と…愛する人と暮らす。それは当たり前のことで…奇跡のようなことだと今なら分かる。だからこそ…智を帰したかった。日本に…いや、本来在るべきカタチの元へと…俺の軀のことは俺が一番抑よく知っている。そう…医者よりも…これまでのような日常は今がそろそろ限界で、あとは病というよりは痛みとの闘いになることも。智が泣き乍ら愛してると…だから帰らないと言って...
不遣雨 97
潤は今まで通りおいらの為に食事を作る。朝は地元で見つけた旨いパン屋へ焼きたてのパンを買いに行く。前夜の疲労からおいらが朝起きる事のできない日は潤が…。そうじゃ無い日はふたりで散歩をし乍らパンを買いにいく。パンは自分たちで作っても良かったけれど適度な運動も兼ねたパン屋通いは外せない日課になっていたしあとどれだけ二人で過ごせるかわからない不安のなかで過ごせるそんな些細だけれど幸せな時間は貴重だったから…...
不遣雨 96
誘われるように…溺れるように智の軀に身を沈める。大切に大切にして来た智の軀を今、初めて蹂躙するように求めた。智から与えられる快楽は軀より寧ろ心の方だった。記憶が戻った今こそ、愛していると…そして、自分の意思で此処に来たのだと…その言葉に俺は此れ迄心の片隅にいつもあった不安と贖罪の想いが一気に軽くなり…許されたのだろうかと都合のいいことを考える。そんなこと考えてはいけないと…喩え智が許しても自分自身絶対...
不遣雨 95
潤と再会して暫くして…おいら達は街の高台にある家を借りた。細い路地の多いこの街には珍しく高台まで車が通れる途があったことと、何よりもこの青の世界を気に入っている潤が一目で青の街を見下ろせるこの景色が気に入ったからだった。潤くんの状態は落ち着いていておいら達はまたあのプラハにいた時のように幸せな時間を過ごしていた。限りの見える時間だと言うことを忘れる程に穏やかな毎日。買い物に出かけたり、たまには釣り...
不遣雨 94(image)
深淵の様な闇にオレンジ色の太陽の温か光其処に浮かび上がったのは本来の青さを取り戻しつつある町並みと…優しい二人の姿だった…...
不遣雨 93
隣で静かな寝息を立てて眠っている智。肩が毛布から出ている。触ると冷えていて…そっと毛布を肩口まで引き上げた。智がくすぐったかったのか少し身じろいだがそれから少しするとまた静かな寝息を立て始めた。ほっとしてそっとベッドから抜け出すと腰にタオルを巻いてスマホを手に窓際にいく。カーテンを少しずらして外をみる。まだ夜明け前の街を見下ろしても見えるものはなんの希望も感じられない闇の世界だった。昼間見た時はあ...
不遣雨 92
部屋はおいらが思うよりも小さな部屋だった。ベッドは二つあるけれど…それはただツインの部屋しか空いてなかったから、そんな気がした。長居はするとつもりがないのかもしれないと思った。それでもソファーセットなんかもあって十分高そうな部屋だったけど。おいらをソファーに座らさせると自分の向かい側のソファーに座った潤は、「明日、帰れ」短く一言だけそう言った。「帰らない」「…此処、明日引き払うから」「え? 何処いく...
不遣雨 91
その青い街はとっても小さな街で…潤は直に見つかった。街の高台にあるHotelに潤は宿泊していた。南の國特有の多らかさと観光で生計をたてている人々は往往にして人がよくおいらが足が不自由だと言うことが分かるとタクシーの運転手さんなんかはHotelを巡り乍らフロントで潤の写真片手に宿泊しているか聞いてくれて、その間おいらは車の後部座席でドキドキし乍ら結果を待つだけでよかった。潤はこういっては何だけどお金がない訳で...